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足元から整える——「靴選び」が体に与える影響

からだの教室

「どんな靴を選べばいいですか?」から始まった話

「先生、どんな靴を履いたらいいですか?」

これは、私がピラティスのレッスンをしている中で、お客様からよくいただく質問のひとつです。

たしかに靴って毎日履くものだし、健康や姿勢に関係しているとはなんとなくわかっていても、実際にどこをどう見て選べばいいのか…意外と難しいですよね。

でも実はこの“靴選び”、姿勢や体の使い方にとても深く関わっているんです。
今日は、靴と足、そして体全体のつながりについて、わかりやすくお話していきたいと思います。


足の使い方が、全身に影響するって知ってた?

私はピラティスインストラクターとして、長年クライアントの姿勢や体の使い方を見てきましたが、いつも思うのは「足の使い方次第で、体は大きく変わる」ということ。

SNSなどでインストラクターさんの投稿を見ていると、骨盤の位置や肋骨の使い方をとても丁寧に意識されている方が多いです。
でも、足の指や足首、足裏にまで意識が届いている人はまだ少ない印象なんです。

でも実際には、足元が整っていなければ、体の上にあるすべてのパーツも正しい位置には収まりません。
これが「下行性運動連鎖」と呼ばれるものです。


「下行性運動連鎖」とは?

人間の体は、一部の関節や筋肉だけが独立して働いているのではなく、つながりをもって連動して動いています。

例えば、

  • 足裏がうまく接地できていないと
  • ふくらはぎや太ももが正しく使えず
  • 骨盤が傾き、体幹も不安定になる

といったふうに、足元の不安定さが、結果的に姿勢の乱れにつながるのです。


足は「脳から遠い」から、意識しにくい

もうひとつの理由として、足は「感覚的に意識しづらい部位」でもあります。

私たちの脳は、よく使う・よく動く部位(例:顔、手)に対して感覚が敏感です。
その一方で、**足は“脳から最も遠い部位”**であるため、感覚の意識が届きにくいのです。

解剖学の資料などで見る「ホムンクルス図(感覚の分布を示す図)」では、足はとても小さく描かれています。
つまりそれだけ、意識しないと使いづらい、コントロールしにくい部位だということです。


足裏の感覚が低下するとどうなる?

足裏のアーチやかかとの使い方が崩れてしまうと、次のような問題が起きてきます。

  • かかとがうまく落ちない
  • 土踏まずがつぶれる
  • 舟状骨や立方骨が沈む
  • 中足骨が動かず、足指が使えない

これにより、**外反母趾や内反小趾、開張足(足がぺたっと広がってしまう)**などが起き、足のバランスが崩れます。

さらに、ふくらはぎが使えないことで血液のポンプ作用が落ち、足がむくんだり、お尻や体幹の筋肉も使えなくなり…
全身の姿勢が崩れていく負のスパイラルに入ってしまうのです。


靴選びで体は変わる——3つのチェックポイント

では、日常生活の中でどんな靴を選べばいいのでしょうか?

ここでは、誰でもすぐ実践できる靴選びの3つのポイントをご紹介します。

① かかとがしっかりホールドされている

足首がぐらつくような靴は避けましょう。
かかとをしっかり固定できると、かかとが落ちて足裏が使いやすくなります。

② 足裏の感覚が育っていない人はクッション性を重視

足の筋肉がまだ育っていない段階で、薄底の靴を履くとすぐに疲れてしまいます。
はじめは、クッション性のある靴で足を守りながら育てていくのが◎。

③ 足裏の機能が育ったら、感覚入力できる靴へ

足の感覚が整ってきたら、**足裏にしっかり刺激が入る靴(薄底・柔らか素材)**に変えていきましょう。
体のバランス感覚がぐっと高まります。


デザイン重視の靴を履くときは?

パンプスやヒールなど、ファッション性の高い靴を履く場面もありますよね。
それ自体は悪いことではありません。大切なのは、履き続けることに偏らないようにすること。

たとえば、パンプスを履いた日は、足首まわりをしっかりケアする
これだけでも、足のバランスを整える力が育ちます。


足首が硬いと脚が太くなる?

「太もも前が張って脚が太く見える…」そんな悩みがある人は、実は足首がしっかり動いていない可能性が高いです。

足首が硬いと、代わりに前ももの筋肉で動こうとしてしまい、そこばかりが発達してしまうんです。

ぜひ、くるぶしの下にある「距腿関節(きょたいかんせつ)」を意識して、柔らかくスムーズに動かせるようなケアを取り入れてみてください。


足裏の感覚を育てる簡単エクササイズ

◆ タオルギャザー

タオルを床に敷いて、足指でたぐり寄せる。
足裏の細かい筋肉や指の独立性を育てます。

◆ 足指パー&片足バランス

片足立ちで足指を開いたままキープ。
バランス感覚と足底感覚が同時に鍛えられます。

◆ 足裏リリース

ボールで足裏をコロコロ。
固有感覚を目覚めさせ、動きがスムーズになります。


足元から整えることは、心身の土台を整えること

足元って見えにくいし、つい後回しになりがち。
でも、だからこそ意識して整えてあげることが、姿勢の安定や心地よい体の動きに繋がっていきます。

「最近バランスが悪いな」「歩くと疲れる」
そんなときこそ、まずは足元から見直してみてくださいね。

この記事が、あなたの「今日からできる体の整え方」のヒントになりますように。
何気なく履いているその一足が、明日のあなたの姿勢と元気を支えてくれるかもしれません。

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