〜「肋骨を閉じる」はただの見た目操作じゃない〜
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「肋骨を閉じる」ってどういうこと?
最近、「肋骨が開いてウェストが寸胴になる…」という声をよく聞きます。
SNSや雑誌でも「肋骨を締めてくびれを作ろう!」というフレーズが目立ちますし、レッスンでも肋骨を閉じてと言われる場面があるのではないでしょうか。
インストラクターとして大切なのは、見た目ではなく“本質的な動き”を理解することです。
無理に肋骨を締めようとすると、体をロックしてしまい、前ももや首の緊張、胸郭の硬さにつながることも。
そこで大切なのが「肋骨のコントロール」です。今回は肋骨のコントロールについて深掘りします。
肋骨が開いてしまう主な原因
- コアの筋肉が機能していない
腹横筋・内腹斜筋・多裂筋・骨盤底筋などのインナーコアが適切に働かないと、肋骨が外に開いたままになります。 - 胸式呼吸の癖
浅い呼吸で胸郭上部ばかりを使ってしまうと、肋骨が開きっぱなしに。 - 姿勢不良・反り腰
骨盤が前傾し、胸を張りすぎる姿勢が、肋骨の開きを固定化します。
肋骨をコントロールする主な筋肉
筋肉名 | 役割 |
---|---|
腹横筋 | 腹部をコルセットのように包み、肋骨を内側に引き寄せる |
内腹斜筋 | 下部肋骨を内側・下方向へ引く |
外腹斜筋 | 肋骨を下制し、「閉じる」動きを助ける |
腹直筋 | 胸郭を前下方に引き、肋骨の開きを抑える |
骨盤底筋群 | 腹圧調整を通じて間接的に肋骨のコントロールに貢献 |
横隔膜 | 吐くときに上がり、肋骨を内側に戻す |

ピラティスでの実践アプローチ
STEP 1:呼吸の再教育
- 仰向けで膝を立て、手を肋骨の横に置く
- 吸うとき:肋骨が横に広がる
- 吐くとき:肋骨が内側に戻るのを感じる
- お腹は膨らませず、背中と肋骨の動きに集中
→ 呼吸とともにコアが自然に活性化される準備
STEP 2:肋骨とコアの連動エクササイズ
■ アブプレップ
仰向けで頭と肩を軽く持ち上げ、吐く息で肋骨を内側に引き込むように意識。腰を反らせないように。
■ ハンドレッド
足をテーブルトップ、手を上下に小刻みに動かしながら、5カウント吸って5カウント吐く(×10回)。
→ 呼吸と腹圧の連動で肋骨の開きを防ぐ
STEP 3:日常姿勢の見直し
- 反り腰を防ぎ、骨盤をニュートラルに保つ
- 立位・座位でみぞおちが前に突き出ていないか確認
- 浅い呼吸を感じたら、ラテラル呼吸でリセット
まとめ:3本柱で肋骨の「開き」を防ぐ
- 呼吸の質を整える
- インナーコアを活性化
- 姿勢の再教育
肋骨を「閉じる」のではなく「コントロールする」視点での指導が、クライアントの身体機能を高め、美しい姿勢をサポートします。
レッスンにぜひ取り入れてみてください。
インストラクター向けの指導ポイント
呼気時に腹横筋・内腹斜筋・横隔膜が連動する感覚は、クライアントにはわかりにくい部分です。
言葉の選び方、タッチ、視覚的フィードバックを活用してサポートしましょう。
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